牧師就任式
 
 
序詞
わたしたちの大牧者である主イエス・キリストは「わたしの小羊を養いなさい」と命じ、群れの中に牧者を立てて主の教会を牧させたもうのであります。この教会は主のみ旨と信じてこの教師を牧師に招聘し、彼もまたみこころと信じてそれを承諾しました。教団もまたこの教師がこの教会の牧師になることを適当であると認めましたので、私たちはここに主イエス・キリストの御名によって(   )教師の牧師就任式を行います。
 
 
聖書
わたしはよい羊飼である。よい羊飼は、羊のために命を捨てる。羊飼ではなく、羊が自分のものでもない雇人は、おおかみが来るのを見ると、羊をすてて逃げ去る。そして、おおかみは羊を奪い、また追い散らす。彼は雇人であって、羊のことを心にかけていないからである。わたしはよい羊飼であって、わたしの羊を知り、わたしの羊はまた、わたしを知っている。それはちょうど、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じである。そして、わたしは羊のために命を捨てるのである。わたしにはまた、この囲いにいない他の羊がある。わたしは彼らをも導かねばならない。彼らも、わたしの声に聞き従うであろう。そして、ついに一つの群れ、ひとりの羊飼となるであろう。父は、わたしが自分の命を捨てるから、わたしを愛して下さるのである。命を捨てるのは、それを再び得るためである。だれかが、わたしからそれを取り去るのではない。わたしが、自分からそれを捨てるのである。わたしには、それを捨てる力があり、またそれを受ける力もある。これはわたしの父から授かった定めである」。(ヨハネ10:11〜18)
 
彼らが食事をすませると、イエスはシモン・ペテロに言われた、「ヨハネの子シモンよ、あなたはこの人たちが愛する以上に、わたしを愛するか」。ペテロは言った、「主よ、そうです。わたしがあなたを愛することは、あなたがご存じです」。イエスは彼に「わたしの小羊を養いなさい」と言われた。またもう一度彼に言われた、「ヨハネの子シモンよ、わたしを愛するか」。彼はイエスに言った、「主よ、そうです。わたしがあなたを愛することは、あなたがご存じです」。イエスは彼に言われた、「わたしの羊を飼いなさい」。イエスは三度目に言われた、「ヨハネの子シモンよ、わたしを愛するか」。ペテロは「わたしを愛するか」とイエスが三度も言われたので、心をいためてイエスに言った、「主よ、あなたはすべてをご存じです。わたしがあなたを愛していることは、おわかりになっています」。イエスは彼に言われた、「わたしの羊を養いなさい。(ヨハネ21:15〜17)
 
どうか、あなたがた自身に気をつけ、また、すべての群れに気をくばっていただきたい。聖霊は、神が御子の血であがない取られた神の教会を牧させるために、あなたがたをその群れの監督者にお立てになったのである。わたしが去った後、狂暴なおおかみが、あなたがたの中にはいり込んできて、容赦なく群れを荒すようになることを、わたしは知っている。また、あなたがた自身の中からも、いろいろ曲ったことを言って、弟子たちを自分の方に、ひっぱり込もうとする者らが起るであろう。だから、目をさましていなさい。そして、わたしが三年の間、夜も昼も涙をもって、あなたがたひとりびとりを絶えずさとしてきたことを、忘れないでほしい。今わたしは、主とその恵みの言とに、あなたがたをゆだねる。御言には、あなたがたの徳をたて、聖別されたすべての人々と共に、御国をつがせる力がある。(使徒行伝20:28〜32)
 
 
祈祷
教会のかしらなる主イエス・キリストの父なる神、
主は信ずるものを集めて教会を建て、教師をつかわして群れを導かせてくださいます。わたしたちは、この教会が招聘し、教団が承認したしもべを、この教会の牧師の職につかしめようとしています。今とり行う式をみ旨にかなわせ、教会にとっても、意義深いものとして祝福してくださいますように、主イエス・キリストの御名によってお願いいたします。アーメン。
 
 
誓約
問 あなたは今この教会の牧師としての任務につこうとしています。あなたはこの教会に招聘されたことを神のみ旨であると信じ、主の栄光のためにその身をこの職にささげる覚悟がありますか。あなたは、主の賜う恵みによって、み言葉の奉仕者としてふさわしい言行をなし、この教会の牧師の務を忠実に果たすことを約束しますか。
答 神と教会との前で謹んで約束いたします。
 
 
勧告
主イエス・キリストの父なる神は、あなたを栄光ある重大な務にお召しになりました。聖書に、「どうか、あなた方自身に気をつけ、また、すべての群れに気をくばっていただきたい。聖霊は、神が御子の血であがない取った神の教会を牧させる」とあります。
あなたは、この群れに神のみ言葉をのべ、聖礼典をとり行うために召されました。それゆえに、「自分自身を宣べ伝えるのではなく、主なるキリスト・イエスを宣べ伝え」なさい。みずからをあざむいてはなりません。人のまくところはまたその刈るところとなります。常に善を行うことにうみ疲れてはなりません。
あなたは、教会と世との前で、キリストのみ足を踏んで行くために召された者であります。それゆえに、天にあるものを思い、地にあるものを思ってはなりません。耐え忍んで、その前に置かれた馳せ場を走らねばなりません。このようにするならば牧者のかしらがあらわれたとき良い忠実な僕としてしぼむことのない栄光の冠を授けられるでありましょう。
 
教会員の誓約
問 あなたがたが招聘したこの敬愛する教師は、今あなた方の牧師として主から遣わされました。あなた方は心から感謝して、この教師を受け入れる覚悟がありますか。元来、牧師の任務は教え、進め、導き、また戒めることであります。それ故に、あなた方は牧師の説く真理に、謙遜と善意とを持って聞き従うことを約束しますか。牧師は重大な責任を身に負って群れを守るものであります。それ故に、使徒達が命じたように、牧師に対して従順であることを約束しますか。牧師は人を救いに導く務めを委ねられた者であります。あなた方はこのために牧師を励まし、また支持することを約束しますか。あなた方は教会の中で紛争を起こしたり、党派を結んだり、分離を図ったりするようなことはなく、どんなことでも愛と和らぎとを持って行い、事毎に相慰め、励まし、支えて、牧師にその職を全うさせることを約束しますか。兄弟姉妹、主は福音を宣べ伝える者が福音によって生活すべき事をお教えになりました。また聖書に「御言葉を教えてもらう人は、教える人と、すべての良いものを分け合いなさい」と書かれています。これは、主及び使徒達が懇ろに教会に教えたことであって、あなた方もまた既に招聘状の中でこれを約束しました。あなた方は、神の恵みによって、誠実にそれを守ることを約束しますか。
答 わたしたちは神と教会との前で謹んで約束致します。
 
 
祈祷
天にいます聖なる父、
み言葉をもって世界を造り、すべてのものを治め、そのひとり子を賜うほどにこれを愛し、また彼によって「世をご自分に和解させ、わたしたちに和解の福音をゆだねられました」恵みを感謝いたします。わたしたちは今ここに愛する教師を主が選んで、この教会の牧師となし、彼をその務につかせてくださることを感謝いたします。どうか、聖霊を満たし、彼をみ言葉の奉仕者にふさわしい者とならせ、おりを得ても得なくても福音を宣べ伝えてうむことなく、飢えた魂を養い、み言葉の真理をもって罪人を救いに導くことを得させてください。主の恵みによって、その言葉と行いとがすべてみ旨にかない、これによって絶えず主の栄光をあらわし、また常に人々の模範となるようにしてください。
恵み深き父、
この教会を顧み祝して豊かな恵みをお与えください。会員一同が大きな喜びと感謝とをもってこの牧師を迎え、信頼と敬愛とをもってその指導に従い、柔和と謙遜とをもって信仰に進み、牧師と共に主の業に励みますように。このようにして、主の御霊がこの教会にみちあふれ、福音の真理を世に証し、いよいよ主の栄光をあらわしますように、イエス・キリストのみ名によって願います。アーメン。