教会法、特に廃案の処理を巡って(33教団総会)


問い:「審議未了廃案という議事規則は世界にも珍しい例で、国会法のそれが教団総会に導入されたのは最近になってからだ」という意見があります。
答え:たしかに審議未了廃案という言葉は珍しいでしょう。その理由についてご存じの方がいれば教えてください。ただ、「会期」という考え方はポピュラーで、次の会期に以前の議案を持ち込まないという考えは当然なので、考え方として審議未了廃案という処理はポピュラーであるということが分かります。ですから、「総会期」という概念が通常使われていますがこれは教規49条でのみ謳われており特に定義は示されていませんが、委員会の任期に限った処理事項であることは明らかです。教規17条で言われている「会期」は今回で言えば2002年10月29〜31日ということになりますので、この会期を越えて審議を続けることは難しいことになります。ただ、名称変更は教憲・教規の変更に相当しますので、規則変更の手続きをとる重要議案です。したがって、この議案に関しては、審議未了廃案ということは出来ません。

問い:それでは33総会の時にはどういう処理をしたのですか。
答え:まず手元の議事録メモを確認してみましょう。私の個人的なものです。

 山北 決を採りたい。
 ここで審議はストップ。5分延長
 山北 廃案を宣言する。残った議案については議運。
 原田 これらも審議未了廃案とする。

 議運は議長が審議未了廃案を宣言したという前提で発言していますが、議長はそういう言葉は使っていません。審議不能による廃案という方が正しいでしょう。ですから議運ではなく議長による宣言の必要があったわけです。議長の宣言の意味は「現時点でこれ以上扱うことは不可能で、この議案について会期を越える扱いはしない」ということです。

問い:審議不能の場合、自動的に継続ではないのでしょうか。少なくとも今までの教団総会ではそうしていました。
答え:議事法的にはその必要はありません。39号は提案理由が純粋に法理的なものではないので、会期が改まれば別の体裁で出した方が提案の趣旨にはふさわしいとも思えます。

(追加)問い:会期の概念は、一事不再理の原則でも問題になります。同じ趣旨の議案をいつになったら再提出出来るかということに関して、一総会期に渡ってだめなのではないかという考え方もあります。なぜなら、総会期は委員の任期であると同時に教団総会議員の任期でもあるからです。一つの集団は原則として異なる結論を出し得ないという考え方にはある説得性があります。
答え:ある総会で決まったことがその直後に招集された臨時総会でひっくり返されては意味がなく、総会期の概念を会期の概念に準用することはありうると思いますが、もしそれを法的に現実化させる場合には、17条による会期の設定を「会期は総会期と同じ2年間とし、3日間の総会開催期間中をのぞいて休会とする」という扱いを取らないといけません。つまり、会期を3日間と設定している段階で、既に「総会期と異なる会期を設定している」わけです。

(教規第17条)
「国会法」第六十八条 会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続 しない。但し、 第四十七条 第二項の規定により閉会中審査した議案及び 懲罰事犯の件は、後会 に継続する。 2003/04/17(木) 
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